恋愛初心者
「ずっと、キミを探すために1年生の教室を回ってたんだ。まさか、2年の階にいるなんて思いもしなかったよ」


え…


「あの、私も…昨日のお礼がいいたくて…」


「え?」


あ、そうだお礼!!


「すっすみません、言い忘れてましたっ。き…昨日はありがとうございました!」


私は深々と王子に頭を下げた。


「いやいやいや!そこまでしなくていいよ!顔を上げて?」


ッス…


私はゆっくりと王子のことを見た。


「君も、俺のことを探しに2年生の階探してたんだね」


「は…はい」


「入れ違いになっちゃったんだね。ごめんね?」


「だ…大丈夫ですっ…あの…私、これで…本当に、昨日はありがとうございました」


私はもう一度王子に頭を下げ、階段を登り始めた。
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