イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
「私、ここ結構居心地良くて気に入ってるからここで良いよ。キッチンにも慣れてるし」
そう紅茶を飲みながら答えると、ホッとした顔をして伊吹が言った。
「そうか。それなら良かった」
思い起こせば、そりゃ落ち着くよね……。
伊吹がこの部屋に引っ越す時、なぜかカーテンや家具に、ベットカバーやシーツまで私が選んだのだから。
私の好きなものも多々あるのが伊吹の家なのだ。
そこで、ん?と引っかかる。
もしかして……
「ここに越してくる時、家具やら日用品にカーテン選びまで私に付き合わせたのって……」
自分が行き着いた答えが、用意周到さを如実に示していて、ちょっと恐る恐る確認すると伊吹はフッと口の端を上げて答える。
「やっと気付いたか。普通ただの幼馴染に引っ越すからって、家具家電にカーテンやらシーツやら選ばせないよな?こうなるのを考えてたから、一緒に連れてって千花に選んでもらったんだよ」
そうニッと笑って答える伊吹。
伊吹がここに越してきたのは半年前である。
その期間を考えれば、そりゃ囲われまくってて私が捕まるのも同然だ。
「もう、大石千花だからな。俺が大切な千花を逃す理由が無いだろう?ずっと、一緒になりたかったんだから」
骨張ってるのに長く綺麗なその手で私の頬に触れて言う伊吹は色気ダダ漏れで、またしても私は真っ赤になる顔を隠すことも出来ずにその甘い瞳を見つめ返した。