イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない

あー、やっぱりなぁと思いつつ話の続きを聞くと、伊吹が朝言った通りだった。

「これでも、内科チームは伊吹先生と千花ちゃんを見守ってたからね。安心したわぁ」

同じ科の先輩からそんな言葉を聞いて、私も少しホッとした。

「外科とか救急の懲りないナースが狙ってたけど、先生全然相手にもしてなくて。ホント、千花ちゃんは愛されてるわねぇ。千花ちゃんの前だけよ!あんなに笑顔で話してる先生は」

私の肩にポンと、手を置くと雪乃さんは笑顔で祝福の言葉をくれる。

「お幸せにね!無理しないのよ!お先にね!」

そう言って雪乃さんは上がっていった。

ここでも、こんなに知られてて配慮もあったのに気付かなかった私はホントに鈍感だったんだなと思う。

そうして、内科病棟のナースステーションに行くと今日のペアの同期の奈津子がカルテをチェックしてる。

「おはよう、奈津子。今日はよろしくね!」

そう声をかけると、ニイッと口角を上げて言った。

「あら、若奥様来たわね!よろしくねぇ」

クスクスとからかう笑みを浮かべて言うのに、ひとつため息をついて返事をする。

「奈津子も聞いてるよね。だからってからかうのはやめてね」

そんな私に実に晴れやかにあっさりと言われた言葉に私はビックリされられる。

「いや、内科のチームは皆が昨日入籍するって聞いてたからさ」

なんですと?!

「だから、昨日のお迎えから皆がニヤニヤと見守ってたわけよ」

サラっと、さも同然だという流れで言われて開いた口が塞がらない。

「伊吹先生はしっかり根回ししてたからね。千花に何かあればすぐ教えてくれって。愛されてるわね!」

そうにこやかに言われた。

この結婚どうやら、相当伊吹に用意周到に組まれていたらしい。


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