イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
「え?千花?!ちょっと、出て来て。なんで隠れるんだ?」
そう布団越しに声をかけてくる伊吹に、私は布団の中から謝った。
「ごめんなさい!!あれを聞かれてたなんて……」
それだけ言うと、潜って丸くなって布団に篭城。
だって、寂しいとかモヤモヤするの!!とか、いい大人が嫉妬して酔っ払って愚痴って寝て迷惑かけるとか……
こんなの幻滅するでしょう。
嫌われちゃうじゃない。
それが嫌だったのに、いったい私は何をやってるんだろう。
ホントに情けない……
こうしてお布団で自主的猛省会になっていた私に、初めて聞いただろう。
落ち込んだ声の伊吹が声をかけてきた。
「千花、お願いします。千花の寂しい気持ちにちゃんと気づけなかった情けなくてダメな俺に挽回のチャンスを下さい……。出て来て、顔見せて……」
軽く布団に乗せられた手の感触と、とても落ち込んだ伊吹の声が聞こえてビックリしてしまう。
慌てて布団から出ると、私は勢い込んそんな伊吹の言葉を否定する。
「え?伊吹は何も悪くないよ!私が我儘なだけで。何も悪くないよ!!」
そう言いながら出てきた私をギュッと抱きしめて、伊吹も勢いよく話し出す。
「ごめん!!千花とちゃんと家族になる為に結婚したのに。寂しい思いを我慢なんてしなくていい。どうにもならない時もあるかもしれないけど」
言葉を区切ると、伊吹は私の顔を見て言った。
「我慢しないで寂しい時は寂しいって、ちゃんと教えてくれ。言いたい事は言って?俺、ちゃんと聞くから」