イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
行きつけのお店のいつも座る席で、よく頼む料理を一緒に食べる。

なんてことない、たまにするいつもの食事風景と同じ。

しかし、しっかり食事をしてデザートって頃にいつもと違う事に気付いた。

「やっぱ、忘れてたな。今日は千花の25歳の誕生日だろ?」

そう言ってくる伊吹と私の目の前には小さめのホールケーキ。
そこに書かれている文字に、私は目を見開いた。

『Happy Birthday 千花 Will you marry me ?』

とケーキのプレートに記されていたから。

ちょっと目をこすってみる。
しかし、プレートの文字は間違いなく入っている。

「え?え?ねぇ、伊吹。これなんの冗談?」

思わず訳が分からなくて、伊吹に尋ねるとため息混じりに答えてくれる。

「なんで冗談で俺がプロポーズするんだよ?千花はこんなに俺が分かりやすく接してても、気付いてなかったんだな?この鈍感娘!」

言葉では責めるものの、伊吹の表情は柔らかく甘い。

たまに私に見せてくるその表情。

え?あれ?
つまりそういう事?!

ようやく伊吹の気持ちを理解すると、私の顔は一気に真っ赤になった。

「やっと理解したみたいだな。俺は職場でも隠してなかったから、皆が俺の相手は千花だって知ってるぞ?」

その言葉に唖然とした私は、確かに伊吹が言う通り鈍感娘だと思う……。

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