イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
すると、ニッと目を細めて笑って伊吹が言う。
「そんなの、これからいくらでも言ってやる。鈍感娘が鈍感になれない程にな」
伊吹の瞳には熱を孕んだ甘さがあって、私は顔が再びみるみる赤くなるのを自覚して両手で顔を隠す。
慣れてる筈なのに、こんな時はその伊吹の整った顔が憎い。
ドキドキ感が三割増しだ!
イケメンってすっごい武器だよ。
ずるい、卑怯!
「ちーか。顔隠すな。やっと俺を異性と認識したな?その反応はまずまずだな。俺もちょっと、いや……、かなり嬉しいな」
伊吹の表情は、柔らかくてものすっごく甘い。
優しさとその瞳には、十分に私が特別だと物語る。
目は口ほどに物を言うってこういう事か?!ってくらい分かりやすく如実に現れたその瞳に、見つめられて胸が熱く締め付けれる。
こんな瞳で見つめられて、恋に落ちない女は居ない。
今まで眼中にも入れてなかった鈍感娘のくせに?
そう思われても仕方ないけど、伊吹の瞳はそれを凌駕する勢いで見つめるだけで私を溶かす。
でも、この瞳を向けられたのは確かに初めての事じゃない。
ずっとずーっとそれこそかなり昔から時々、伊吹から私に向けられていた視線だった。
私はどうしてそれを、今日まで気付けずに居たの?
伊吹が鈍感と愚痴ったのは間違いでは無い。