黄色いレシート
「すごいですね。本当に持ち主が現れるなんて思ってなかった」


旦那さんの方は半分くらい茫然とした様子で明美を見た。


「拾ってくださってありがとうござました」


明美は旦那さんへ向けて深々と頭を下げた。


「いえ。あの、お会いできたら聞きたいと思っていたことがあるんです」


「え?」


「あのプロポーズの結果がどうなったのか、どうしても気になって」


旦那さんはそう言い、頭をかいた。


「見ていたんじゃないんですか?」
< 122 / 212 >

この作品をシェア

pagetop