黄色いレシート
「え、なに?」


「レシートが……」


そう言い、友にレシートを渡してくる。


それはいつもの白いレシートではなく、黄色い用紙に印刷されたものだった。


それを見た瞬間友もタエと同様に「あっ!」と、呟いていた。


ここのレシートに特別な物が混ざる時があると言うのは知っていた。


実は友はその特別なレシートが出るのをずっと待っていたのだ。


「悩みがあったの?」


タエが不安そうな顔で友を見る。


その頭に小さなタヌキの耳が出て来てしまっている。


「全然。大した悩みじゃないからさ」


友は慌ててそう言って左右に首をふって見せた。
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