黄色いレシート
だからね、マミはみんなと一緒にいられるようになったから、もう誰も寂しくないんだよ。


そう言って、明美の手を握りしめる。


「どうか、この帽子を受け取って。もし必要なくなったなら、その時はまたこの帽子は風で飛んで、必要な人の場所へ行くと思うから」


そう言って、明美はタエにむぎわら帽子を被せたのだった。


あぁ……。


ようやく分かった気がする。


あのレシートが意味していた物は、缶の中の宝物じゃない。


幸せレシートのおかげで幸せになった人たちのことだったんだ。


和斗、幸太郎、明美。


幸せになったみんながタエを応援してくれている。


みんなみんな、タエにとって宝物だったんだ。
< 195 / 212 >

この作品をシェア

pagetop