黄色いレシート
「あの……あたし……」


タエは友と視線を交わせることができず、俯いてしまった。


きっこのタイミングで自分も好きだと告白するべきなんだろう。


人間が描いた漫画などでは大抵そうなっている。


だけどタエは何も言えなかった。


自分がタヌキだからという理由だけじゃない、告白をする勇気が一気にしぼんでしまったのだ。
< 203 / 212 >

この作品をシェア

pagetop