黄色いレシート
妻が何でもないような口調でそう言うので、幸太郎の目の奥がジンッと熱を帯びた。


その熱が涙となって流れ出ないように気を付けて、幸太郎は妻に背を向け、茶碗にご飯をよそった。



「家事は今まで通り手伝うから」


「ありがとう。がんばってね」


背中に暖かな応援を感じて、幸太郎は目元をぬぐったのだった。

< 73 / 212 >

この作品をシェア

pagetop