黄色いレシート
1人になった明美は冷たい水で喉を潤した。


今日死んでしまおうと考えているのに、喉は乾くしお腹も減る。


その事がおかしくて、なんだか笑ってしまった。


結婚前の旦那とは、ここで食事をした後近くの海岸へ下りたのだ。


2人で真っ白な砂浜を歩いた時の事は、絶対に忘れないだろう。


明美は白いワンピースに麦わら帽子を被って、旦那に手を引かれながら歩いたんだ。


時折押し寄せてくる波に濡れながら、2人で青春映画さながらに砂浜を歩いた。


思い出していると目の奥が熱くなってきて、おしぼりで目元を押さえた。


こんな所で泣くわけにはいかない。


そう思い、気を取り直して木工細工の棚を見た。
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