ずっと好きだ! 先生のこと
そして先生と言えば……
しばらくは身動きできなかったそうだ。
噂も大きく膨れ上がっていたため、住んでるマンションにまでマスコミがコメント求めに押しかけて来たり。
女教師と教え子の情事、とか見出しを付けた雑誌まで出た。
ほとぼりが冷めた頃、仕事を始めようと奮起させ、やはり教える仕事を諦めきれず、塾講師の面接を受けに行った。
面接はスムーズに執り行われものの、面接官の中に、あの事件に気付く者もあり、イメージが悪いと落とす塾も少なくなかった。
それがダメなら先生は、自宅で子供達に勉強を教える仕事を考えた。
生徒は集まりかけたものの、何とかうまく行きそうになりかけた矢先、やはり、過去の事件を嗅ぎつけ、
「子供に変な気を起させるかもしれない!」
「子供に何するか分からない!」
「子供に勉強以外の事を教えるかもしれない!」
「いいイメージがない!不潔感漂う!」
など主婦同士の不安をあおるような事を何だかんだと言いがかりをつける人が現れたり。
「改めて自分のやった事の重大さを、今更ながら思い知らされた」
「もう二度と教えるという仕事には就けないかもしれない」
とその時先生は言っていたらしい。
学校を辞めてから、先生の中で張り詰めていたものが一気に崩れ落ちた瞬間だった。
こんな状態の先生を支え続けたのが、あのナルシスト南先生だった。