ずっと好きだ! 先生のこと
時計の針が一つになる時
アメリカへ渡ってから、オレは私立の高校に入れられ、もう一度高校生をすることになった。
日本とは授業内容が全く違うため、仕方のないことだった。
オレにはそれが無駄な時間に思えて、当初は焦っていた。
だって、すぐにでも先生を迎えに行きたい気分だったから。
その事しか頭にはなかったな。
オレの通った高校は勉強だけでなく、芸術(音楽や美術)にも力を入れていた。
その中でもオレは好きな絵に力を注いだ。
描き続けた絵が、運よく在学中に見初められ、アメリカの企業から、
「当社のキャラクターデザインをしてほしい」
と申し入れがあり、それを引き受ける事となった。
この一つのチャンスはとても大きいものだった。
その成果のお陰で、高校を飛び級で名門芸術大学に入学を果たせたから。
また大学在学中にも、作品を色々と発表し、ゲームのキャラクターデザインや、ハリウッドのアニメキャラクターなど、依頼が舞い込んだ。
もちろん、日本に向けても発表され大きく取り沙汰された。
このころまだ若干二十歳そこそこだったため、オレの活躍は、若きクリエイターとして、雑誌にも取り上げられたりした。