ずっと好きだ! 先生のこと
憩いの場所
次の日学校での事。
用事があり、職員室に足を運んだオレ。
扉を開け、先生の方に目をやると、南先生が相変わらず先生を独占していた。
いや、独占ではなく、教師同士のやり取りの一環。
そのシーンは、一コマ切り取られたようにオレの目に焼き付いた。
二人の間にオレは必要ない。
必要性があるなら、先生に言い付けられた物を取りに行くか、返しに行くだけの事。
対等ではない、そして自分の立場を思い知らされる。
何だか恥かしくなって来た。
「早川先生?教師でも無理なものは無理なんだから、肩の力を抜いて。
何事も臨機応変に!全てに応えるなんて土台無理なんだから」
南先生の言葉に真剣に耳を傾け、先生はうなずいていた。
オレは先生に相談することはあっても、されることはないだろう。
答えられるだけの経験がないから、例え答えられたとしても、薄っぺらい言葉しか並べられない。
恥ずかしさに輪を掛けて哀しい。
先生からプリントを受け取り、オレは職員室を後にした。
軽くあしらわれてる。
先生にとってオレは価値のないものですか?
捻くれた思いが生まれる。
他の先生になら抱かない感情。
先生がオレを必要とする存在になりたい!
オレのすべきことは、目の前にあるものをやり遂げること。
こんな基本的な事で、そこら辺にいる大人なんかに負けたくねぇ!!
オレの中で何か変わり始める。