ずっと好きだ! 先生のこと
教室での事、
「おぅ!一条~最近放課後来なくなったな?どうした?大丈夫か?早川先生も心配してたぞ?」
教室に入って来た北嶋が、変わらず元気に声を掛けて来た。
でもコイツはオレの何かを察してることもオレは分かってた。
「あぁ~、色々忙しくて」
自分の席に座って、そこら辺に浮かんだ言葉を並べて笑って返した。
「おはよう~。北嶋君!徹君」笑って挨拶だけして他の女子ところへ溶け込んで行った梁瀬。
「おはよう」オレと北嶋、同時に返した。
梁瀬を見送りながら首を傾げる北嶋。
「何か梁瀬変じゃね?」オレを見て言う。
「そっかな~」何をどう言えばいいのか分からずはぐらかすオレ。
「梁瀬と何かあった?もしくは先生と?」
——————っ!!
ドキッとしたが、
「あぁ~、先生の事は諦めた。なんか南先生とつき合ってるみたいだし。
何かこの間放課後、教室で密会してんの見ちゃったし……」
やる気もないが教科書なんて出して、オレは答えた。
「マジか!?つき合ってるってのは微妙だけど、教室なんかで密会するか~!?
もし会うならわざわざバレバレな場所なんか密会場所に使わねぇだろ?」
オレの前の椅子を引いて座った北嶋が、オレの顔を覗き込んだ。
「南がそこまで神経使うかな!」
見る気もないのに、教科書ペラペラめくりながらオレは答えた。
「南っちはともかく、早川先生はそんな無神経じゃなねぇだろ?」
オレをなだめるように言う北嶋。
とその時、丁度うまい具合に授業開始のベルが鳴った。
周りが慌ただしく各々の席に戻って行った。
北嶋も渋々自分の席に戻った。
梁瀬の件に触れられずに済んだことに、ちょっとホッとした。