ずっと好きだ! 先生のこと
走り出した恋
オレは先生の授業にも身が入らず、先生の方も見ようともしなかった。
何となく先生の視線は感じたものの、無心にノートを取ったり、窓の外を見たりと気を紛らわせていた。
オレの時間だけ緩やかに進み、周囲だけが早送りのように過ぎて行くようだった。
誰かのせいにしたいくらい時間の過ぎるのが遅かった事!
やっと一日が終わった。
オレは学校出て家路を急いだ。
何気にポケットに手を入れてスマホがないことに気が付き、思わず舌打ちをした。
机の中だ!面倒くせぇ~!——————
取りに戻るのは面倒だが、無いと不便。
仕方なく学校に戻った。
階段を駆け上り、更に上の階へと駈け上ろうとしたその時、その階の教室から先生が出て来た。
思わず、ハッとした!
駆け上がる足が止まった。
声を掛けようか迷ったが、
止めた。そのまま登ろうとしたその時!
「一条君!!」
先生がオレを呼び止めた。
「一条君、最近元気ないみたいだけど、大丈夫?」
「…………」
答えようのない質問にオレは口をつぐんだ。
しばらく沈黙の後、