ずっと好きだ! 先生のこと
青春の傷跡
そんな事があったなど露知らずオレは、戻って来た北嶋に「何かあった?」なんて普通に話し掛けた。
「撃沈だ……」オレの所に来てそう北嶋が言った。
「告ったのか?」
「あぁ。でも好きな人がいるってよ!」オレの方をちらりと見た北嶋。
「そうなんだ」梁瀬とはまだ面と向かって話せてないオレは答えた。
そして北嶋の視線が、オレを試してるようでやはり怖かった。
「で?お前の方は?」冷めた目線で北嶋が聞いて来た。
「え?」
「お前の方は何か言う事ねぇのかよ!」
「何だよ突然!」
「何もなかったのかって聞いてんだよ!!」北嶋は声を荒げた。
「何が言いたいんだよ!」
「分かってんだろ!!お前!梁瀬見てて何とも思わねぇのかよ!」
「……!!」
「お前のそういうすかした所が前から気にいらねぇんだよ!!」
そう言うといきなり北嶋はオレの胸ぐらを掴みにかかって来た。