ずっと好きだ! 先生のこと
「先生、オレは卑怯者かな?
オレは他の誰かを傷付けていながら、自分はちゃっかり逃げ場を確保してる。
自分だけが幸せでいる。オレは一番嫌な偽善者かもしれない」
「……きっとみんな偽善者よ。一条君が偽善者なら、私もそう。
それに卑怯者なら心なんて痛めたりしない。
一条君は一人で苦しまなくていいの。なんのために私はいるの?」
先生の部屋で寄り添いながら、オレは梁瀬の事や、北嶋との事を話した。
「人の気持ちは、人がどうこうできるものじゃないと思うの。
まして恋愛なんて必ず成就するなんて限らないから、お互いの気持ちが繋がるのは奇蹟に等しい。
振ってしまった相手を思って深追いしてしまえば、余計に相手を傷付けてしまう。
なぜならその相手は期待をしてしまうから」
「今のオレが何を言っても、何をやっても無駄ってことか。
オレは恋愛を成就させた側だから……」
オレの言った言葉に先生はうなずいた。
この事がきっかけで、オレらの関係がギクシャクしてしまったとしても、もしアイツらのために出来ることがあるのなら、どんなことがあっても何だってしてやろうと思う。
何が何でもオレはアイツらの味方でいようと思った。