ずっと好きだ! 先生のこと
歪んだ感情と采配
「一条!最近お前やけに楽しそうだな?
みんなが受験で苦しんでる最中、お前だけは浮足立っているようだ」
廊下をすれ違い様に鈴木が、右の口角を上げてぶつぶつと不敵な笑みを浮かべて歩いて行った。
言われた通り、オレはきっと浮かれていたのかもしれない。
周りがしのぎを削ってる間オレは、先生の温かな腕に浸っていた。
欲しかった優しい手の中に溺れていたのだから。
それに南先生にもオレは、
「南先生には負けねぇから!」
と強気な発言をした。
以前に、先生と教室で二人仲良く話してる所を見せつけた腹いせに、仕返しのつもりで。
事実先生はオレのものだから、強気だった。
あれほど先生が、学校で触れ合うことを懸念していたのにも関わらず、オレは放課後先生が一人な時を見計らって逢いに行ったり。
手に触れたり、抑えきれない気持ちをそのまま先生にぶつけ、抱きしめたり。
時にはキスをせがんだり……。