君が好きです
そして、怯えながら必死にお礼を言うコイツを手にいれたいとも思った。


満面の笑顔で微笑む華恋と、言う女が欲しくて堪らなかった。



「聖…華恋は、俺のだからな」



釘を刺された。


アイツは気づいてる俺の気持ちに。



華恋は100%人を引き寄せるそんな、女。


アイツを可愛くないなんて思う奴はいないだろう。


その証拠に、仲間の頬が赤い。


「大丈夫だった?」


優しく喋る、仲間の秋〈アキ〉が、ソッと駆け寄る。


雷龍唯一の黒髪だからか、警戒心はなかった。


「大丈夫……です」


なんて言いながら急に泣き出す華恋。


怖かったんだろう。


震える肩を抱き寄せたい。


だけどーーーその相手は俺じゃない。


翼が、華恋の肩を抱き寄せた。



悔しいけど、仕方ない。


先に華恋と出会ったのは翼なんだからーー


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