君が好きです
間違えてんじゃねーの?


ぃ……ゃ……。


ん?


「シッ、なんか、聞こえないか?」



耳を澄ます俺の耳に、微かに聞こえる声。




「いやぁッッ!!」




「「「「!!!!!」」」」


あの声は、まさか。


「やだぁッッ、やぁッッ!」


生い茂る草むらで、よく見えないが一人の男が女の子に覆い被さる。


気配を消しつつ近づく度に相手が、華恋だと気づく。


華恋は泣いていた…………


「ざけんな‼何してんだッッ!」


俺は男を背後から蹴りあげた。


蹴りあげたつもりだった。


間一髪、アイツは避けた。



俺が避けられた?


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