君が好きです
ーーーーーー


はあ、はあ、はあ、迫りくるあの人には無駄な動きはない。


不思議と、体力はあり私は、もう、足が疲れてしまう。


公園から5分離れた丘だった。


晃は、おとりになるなんていないし、私は、ただ、がむしゃらに逃げた。


ここなら草むらに隠れてたらきっと……大丈夫。



ガサッーー。



「あきッッら………」

晃じゃない………やだ、嘘。



ゆっくり近づくあの人が、私に迫る。



「やっと、見つけたよ。いい場所見つけたね、ここならたっぷり色んなこと出来るしね。


華恋ちゃん、俺のになってよ」




どんどん近づくあの人を睨んだ。


「いや、来ないで‼」


私は、彼から距離を取る。


怖がってちゃ、ダメだ。


私は、足蹴りを食らわす……も、足を取られそしてまた押し倒される。



「ぃ………ゃ………いやぁッッ!!」



両手を抑えられ、自由を奪われる。



「学習能力ないよね、華恋ちゃんは。

勝てないんだよ、だって華恋ちゃんは女の子なんだから」


そう、ニヤリ、と笑う奴に涙が込み上げる。


その瞬間ーーー

「ざけんな‼何してんだッッ!」



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