君が好きです
震えて動かない華恋を庇う西道。



「こいつは誰にも渡せねーよ」


今まで見た西道の知らない顔に、少し身震いする。



「佐伯鉄(サエキテツ)、もう止めにしょう。



あんたは、俺には勝てない‼」



佐伯鉄?


西道、いつの間に名前。


「華恋に手を出したこと、許さねーよ」



そう、きつい言葉を吐き捨て迫る。
 



西道は拳を振るう。



腹にストレートパンチが見事に当たり、グハッ、と声と共に倒れた。



ピクリとも動かない男を、冷たい目で見下ろす西道に、ゾクリ、と震えた。



「しばらくは起きないし、帰るか華恋」


西道の腕に、涙がこぼれ落ちそうに泣いてる華恋。




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