クリスマスの日に、ツリーを見上げて
「あ、あれ!?ここら辺にあると思ったんだけどなあ...」
彼の口からこの言葉が出てきたのは三回目。
コピペのように毎回同じ言葉が出てくる。
テンパってるなぁ。
そんなに、慌てなくてもいいのに。
「私、いいお店知ってるんです。一緒に行ってくれませんか?」
いい加減、彼がかわいそうになってきたので口を出す。
私の言葉をきいた彼は、ぱあっと周りに花が咲いたのではと思うくらい輝いた笑顔になって、
「いいですね!行きましょう!!」
元気な声でこう言った。
本当に嘘つけなさそうだなぁ。
「はい」
彼の言葉にこう答えてそのお店に向かって歩き始める。
彼の笑顔を見ていたら、私の愛想笑いは消えて、自然とこぼれる笑顔になっていた。