クリスマスの日に、ツリーを見上げて



「お待たせしました~」



マフラーを手に持った彼がこちらにやってくる。



「プレゼント用の放送をするか迷ったんですけど、すぐつけたいだろうと思ってそのままにしちゃいました。」


「ありがとうございます!お代とか、大丈夫でしたか?
あの、高すぎたら私一部払います!」



いたたまれなくて、つい口を出す。



彼は私の言葉を聞いてふわりと笑う。



「プレゼントした相手からお代をもらうサンタさんなんて、聞いたことないですよ。気にしないでください。僕のお財布にあるお金から出せたくらいなので。」



嘘はついてないみたい。



「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて...。ありがとうございます。」


「どういたしまして」



マフラーをまいた私を見た彼は、もう一度笑った。



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