クリスマスの日に、ツリーを見上げて
外にでると、やっぱり頬を突き刺す冷たい空気が体を包み込む。
「やっぱり外は寒いですねえ」
隣の彼はそう呟く。
ぽつぽつと会話をしながら歩き続けて、大通りに出る。
私の家の方向と、駅の方向。二つの道の分かれ道。
「今日はありがとうございました。」
「?」
私が別れを促す言葉をかけると、なぜか彼の頭の上に疑問符が浮かび上がる。
「どうしたんですか?」
「家まで送りますよ?」
当然のように彼はその言葉を放った。
「え...?」
「当たり前じゃないですか。女の子をこんな暗い時間に一人にできません。」
まともなこと言ってる...なんて失礼なことを考えてしまった。
「そ、そうですね。ありがとうございます。」
よくわからないまま、彼に家まで送られた。