【短】世界でたった一人、愛してはいけない『人』
突然、私の体が光り始めます。
少し驚いてしまいましたが、元の姿とやらが気になってドキドキとします。
って、あれ──?
「人間、ですか?」
「ルルちゃん、何を言ってるの~?
ルルちゃんは猫じゃなくて人だったでしょ?」
二足歩行に慣れておらず、よろけてしまい、神さまに支えられてしまいました。
ペタペタと自分の体をさわって確かめてみますが、馴染みがありません。
私、もしかしてもなにも、人間のときの記憶がないのかしら──
……ないわね。