【短】世界でたった一人、愛してはいけない『人』
だけど、大人しく神さまの言葉を腕の中で待ちます。
「じゃあ、ルルちゃんに記憶戻すよ?
戻したら『やっぱり、いーらない』って無くすことはできないからね?」
「そんなことしませんよ……」
神さまは、懐から透明なビンを取り出しました。
ビンの中には淡い光が入っています。
「これが私の記憶、ですか?」
「そーだよ~。
これをね、グイッと飲み込めば記憶が戻るからね~」
ビンを渡されたので、グイッと飲み込みます。
ほんのりとした暖かさが体中に広がり、だんだんと思い出が戻ってきます。