【短】世界でたった一人、愛してはいけない『人』

知ってしまえば呆気ない話でしたね。

そして神さま……。

あなた上司の扱いが雑な人だったんですね。



神さまの上司に若干同情していると、不意にギューッと抱きしめられ、


「ルールーちゃん!」


見上げると、満面の笑みの神さま。


って、顔が近いですってば!


「本当にごめんね。
 そしておめでとう。
 久しぶりの人間の姿だね!
 猫のときも可愛らしかったけれど、今のルルちゃんが一番だよ!」

「あ、ありがとうございます?」


スリスリと顔を寄せてくる今の神さまの方が、猫らしいです。

そして、そんな神さまをかわいらしいと思っている私は、私らしくないかもしれません。


私も目を細め、神さまを受け入れます。

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