【短】世界でたった一人、愛してはいけない『人』
「ルルちゃんの気分屋!」
神さまのそんな悲痛な叫びが私の背後から聞こえてきました。
それを見て、下僕は呆れたように笑ったけれど、私の目線までしゃがんでくれました。
ちょうどいいな、と思い、私は下僕の背中に飛び乗ります。
『にゃ~ん』
「ルルさま、ごはんはさっき召し上がったばかりでしょう?
まだごはんの時間ではありませんよ?」
『にゃっ!?』
まるで私がごはんのことしか考えていないみたい。
ムッとして、私はわざと下僕に爪をたてて飛び降りました。
いてて、なんて背中をさする下僕に、いい気味よと私はフンとそっぽを向いて神さまの元へ戻ります。