もっともっと、キミのことを愛したいのに。
男の子と密着していることが恥ずかし過ぎて早く離れたいはずなのに、同時に人に抱きしめられるってこんなに安心するんだ、って思っている自分もいることに気付いた。
こうやって誰かに抱きしめてもらえるのはいつぶりだろうか...。
いやマミちゃんに抱きついたことはあったけども。
「千歳先輩、聞いてますかー?」
するとしばらく黙っていた私を見かねて男の子、もとい如月くんは私の顔を覗き込んだ。
如月くんの呼ぶ声にハッと我に返った私はバッと顔を上げた。
───ガツッ
「痛っ」
その瞬間、私の上げた頭が如月くんの顎を突き上げてしまった。
「あっ...!」
やばい。やっちまった...。今のは絶対痛いヤツだ...。
私の頭も痛いよ...。
「わぁぁぁごめんね!!大丈夫!?」
私は如月くんの顔色を伺う。
如月くんは顎を抑えて天を仰いでいた。
「先輩強いですね...」