もっともっと、キミのことを愛したいのに。


───恐る恐る、固く閉じていた目を開けるとそこには真っ白なシャツと男の子のネクタイが。


フローラル系の柔軟剤の香りがする、私と同じ制服のシャツが────



「えっ...、」



もしかして、私...。

男の子に抱きとめられてる...?

階段から落ちる寸前に私の腕を引っ張ってそのまま────!?


そう頭の中で整理するのに丸々10秒かかってしまった。


「あ、あああああのっ!ごめんなさい!」


そして整理してから離れるまでわずか1秒足らず。

長い沈黙の後、私は最高にテンパりながら助けてもらった男の子から光よりも早く離れた。

< 4 / 30 >

この作品をシェア

pagetop