血も涙もない。
僕は海に向かった。
朝起きると、やっぱり僕は島にいた。
 温かいベッドで目覚めることをかすかに期待していたのだが、その期待はあっさりと破られてしまった。昨日と同じように僕は茶色の地面の上で目覚め、相変わらず動物の声はやかましい。
 起きて昨日の木いちごの残りを食べてしまうと、僕は再び歩き出した。
 下り坂で、僕は睡眠によって疲れもとれていたので、飛ぶように早足で歩いた。
 僕は、海に向かっていた。
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