甘い魔法にかけられて
ピピピピ・・・

いつもよりブルーな朝を迎え
ベッドから起き上がるだけで
何度ため息を吐いただろう

特に何か被害を受けたわけでもなく
アプローチされたわけでもなく

勝手な思い込みで
気分を上げ下げしている
変な自分に気づいているものの

コミュ障としては
波風の立たない穏やかな毎日が
無くなったと思うだけで

被害者意識なのである

ただ・・・これだけでは
出社拒否の理由にはならず

もちろん都合良く熱も出ず

いつもより重い気がするペダルを
大して漕がないうちに

会社の前に到着してしまった

そのブルーな気分のせいで
いつもは一番乗りの事務所が

既にコーヒーのいい香りに包まれていた
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