甘い魔法にかけられて
翌朝、更に重い身体と頭に
鞭打つように起き上がると
いつものように支度を済ませて自転車に跨る
もしかしたら・・・
いつものようにKYが外で待っているかも
なんて心配は無用だったらしく
会社へ続く一本道は
ガランとしていた
顔を合わせなくて済むならばと
少しホッとしたけれど
事務所で「欠勤]と聞いて
なんでもないフリの胸がザワついた
頭を過るのは
昨日の女性が泊まったから離れられないKYと
体調が悪くて動けないKY
もしも後者なら・・・
【元気になるプリン】
を貰って嬉しかったことを思い出す
32歳の一人暮らしで
不自由しているかもしれない
頭の中を支配するのは
苦しそうにベッドで寝ているKY
好意を寄せているからこその
都合のいい解釈は
腕を絡ませた二人を忘れさせ
一宿一飯の恩義を
デートじゃなくここで返せば良いと
まるで正義の味方のように
人類救世だと背筋を伸ばした
終業時刻を待って
スーパーで買い物をする
スポーツ飲料とプリンとヨーグルト
そして・・・
花柄模様の付箋には
【一宿一飯の恩義です】
それだけを書いた
KYのマンションのエレベーターに乗ると
急に不安が襲って来た
さっきまでの高揚感は
嘘のように消えてしまい
緊張からか泣きそうになる
しばらく動けないまま
渦巻く感情をどうにか誤魔化すと
305号のドアの前で
震える手を伸ばしてチャイムを押した
鞭打つように起き上がると
いつものように支度を済ませて自転車に跨る
もしかしたら・・・
いつものようにKYが外で待っているかも
なんて心配は無用だったらしく
会社へ続く一本道は
ガランとしていた
顔を合わせなくて済むならばと
少しホッとしたけれど
事務所で「欠勤]と聞いて
なんでもないフリの胸がザワついた
頭を過るのは
昨日の女性が泊まったから離れられないKYと
体調が悪くて動けないKY
もしも後者なら・・・
【元気になるプリン】
を貰って嬉しかったことを思い出す
32歳の一人暮らしで
不自由しているかもしれない
頭の中を支配するのは
苦しそうにベッドで寝ているKY
好意を寄せているからこその
都合のいい解釈は
腕を絡ませた二人を忘れさせ
一宿一飯の恩義を
デートじゃなくここで返せば良いと
まるで正義の味方のように
人類救世だと背筋を伸ばした
終業時刻を待って
スーパーで買い物をする
スポーツ飲料とプリンとヨーグルト
そして・・・
花柄模様の付箋には
【一宿一飯の恩義です】
それだけを書いた
KYのマンションのエレベーターに乗ると
急に不安が襲って来た
さっきまでの高揚感は
嘘のように消えてしまい
緊張からか泣きそうになる
しばらく動けないまま
渦巻く感情をどうにか誤魔化すと
305号のドアの前で
震える手を伸ばしてチャイムを押した