甘い魔法にかけられて
カツカツ…カツカツ
大きく響く靴音が近づくと
応接室の扉が勢いよく開く
「お、いたいた」
大きな声の主はズカズカと近づくと目の前に立った
余りの衝撃に
スマートフォンを持つ手まで固まり
俯いたままの頭が上げられない
「君が上村柚さんね、僕は矢野航平(やのこうへい)。明日からここにお邪魔することになったから」
大して広くない応接室
応援団かと疑うほどの大きな声で
自己紹介した男性は
頭が上げられないままの
反応薄い事務員相手に
文具メーカー【白洋堂】からの出向者であること
32歳で独身であること
趣味はプラモデル造りと食べ歩き
その他諸々聞いてもいないことを
ベラベラと喋り続けた
大きく響く靴音が近づくと
応接室の扉が勢いよく開く
「お、いたいた」
大きな声の主はズカズカと近づくと目の前に立った
余りの衝撃に
スマートフォンを持つ手まで固まり
俯いたままの頭が上げられない
「君が上村柚さんね、僕は矢野航平(やのこうへい)。明日からここにお邪魔することになったから」
大して広くない応接室
応援団かと疑うほどの大きな声で
自己紹介した男性は
頭が上げられないままの
反応薄い事務員相手に
文具メーカー【白洋堂】からの出向者であること
32歳で独身であること
趣味はプラモデル造りと食べ歩き
その他諸々聞いてもいないことを
ベラベラと喋り続けた