甘い魔法にかけられて
本社に戻るまでの3ヶ月間に
なんとしても彼女を口説き落とし

そして・・・
連れて帰る

そんな大掛かりな罠に
引っかかってしまったと気付いた頃には

彼女は妻になっているだろう

「さてと、行動開始!」

出向1日目の朝は
午前休ということもあり
ゆっくりスタート

コーヒーを飲みながら
ベランダに出る

斜め下に見える彼女のアパートは
薄いピンク色の外壁が彼女のイメージにピッタリの
可愛い造り

まさか斜め上とは思わないよな〜
少し口元を緩めながら

漸く目を見て話せる嬉しさに
午後からの自分を想ってドキドキする

それなのに・・・
嗚呼、それなのに

ご機嫌で靴を鳴らし出社した自分を待ち受けていたのは
一回も視線を合わせて貰えないという現実だった


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