ボクのところにおいで。
そして、数分後。
警察が来て軽く事情を話した後、今日は解放された。
そして、警察を見送った僕等は帰ろうとした。
「あっ!」
拓実が驚いたような声をあげた。
すかさず澪が問う。
「ケーキあったんだったぁ………」
僕には、まるで大きい犬が目の前でご主人様に遊んでもらえずションボリしているそのものに見えた。
背が高い大人の男が、まるで子供のように落ち込むものだから、澪は隣でクスクスと笑っていた。
そして、良いこと思い付いたみたいな顔をした後。
「そうだ、れいちゃん達。もうこれお店には出せないから、良かったら食べていかないかな?」
澪が即答しないわけがなかった。