ボクのところにおいで。


やっとのことで、搾り出した声で。


「だ、誰なの……?」

正直、聞きたくもなかったし、知りたくもなかった。


「内緒ッ!!」


と照れくさそうに笑う彼女がものすごく可愛く見えた。

でも、まだこの時までは勝算はあったのだ。



澪の恋心を馬鹿にするわけではないが、昨日、今日好きになった程度の男のことなんか、長年、澪に好意を寄せていた僕の気持ちに敵うはずがないと思ったからだ。


だから、大丈夫だと思ったんだ。


今日という日が来るまでは……











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