ボクのところにおいで。
「澪と付き合ってたりする?」
「え、僕と澪が?」
「うん。」
「付き合ってないよ。幼馴染なだけ。」
「そう……」
自分で言ってて、耳が痛い。
そう言うと、麗はまるで安堵するかのようにホッと息ついた。
「どうして、そんなことを?」
「い、いや、この間。澪と恋バナしたんだけれど。その相手って裕貴くんだったのかなって思って……あ、澪には内緒にしておてね!」
「あ、うん。わかった!」
一瞬、期待してしまった。僕のことなんじゃないかって。
でも、心の奥底では不思議と霧がかかったかのようにモヤモヤしていて。
この感覚に懐かしささえ覚えている。
あの日の夕日の眩しさを思い出した。