幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
第1章 prologue
俺は佐藤 涼
現在の年齢は28歳。
小学校〜中学校〜高校と地元の学校に通い、大学を出て社会人という今の時代では極普通の人生を歩んできた。
社会人になって5年もの月日が経ち、仕事にも余裕が出てきた今日この頃、なぜか思い出すのはもう10年以上も前になる高校生の時の事。
10年も前の話だからこそ今ではその頃の気持ちや出来事を素直に懐かしいと思えるのかもしれない。
ついこの間まで忘れることなんて一生できないと思っていたのに…
いや、実はまだ今も忘れることなんてできていないのかもしれない。
今の自分でも本当の気持ちはまだわかっていないかもしれないが、あの頃の事を思い出すタイミングとしてちょうどよかったのかもしれない。
俺の心の奥底にまだ残っているであろうあの頃の気持ちを確かめる為にも…
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