幸せのカタチ〜Fleeting memories〜

その日は結局公園で4人で小学生の頃の思い出話や今やっているドラマの話など、他愛もない話をした。


「そろそろ帰るか!」


夕暮れ時になり、俺は解散の提案をした。


「そうだね。んじゃまた会おうね!」


奥野さんが笑顔で答えてくれた。


太田と奥野さん2人と別れ、俺と昇太は自転車で家路につき、そのままお互い家に帰っていった。




公園での一件以降、昇太と奥野さんがメールでやり取りしていることを俺は昇太からたまに聞いていた。

とある夜、いつもの場所に俺と昇太は2人でいた。

「昇太、奥野さんのことぶっちゃけどうなんよ?」

俺は突然昇太に探りを入れてみた。

昇太は少し考えこんでから

「実はあれから何回か2人で会ったりしてて、まぁ話するだけって感じだけど、それなりに楽しいかな」

昇太が恥ずかしそうに言った。

「おっ!なんかいい感じっぽいじゃん!これはもう付き合っちゃう感じかー?」

俺は冗談っぽく言いながらも本心は本気でそう思っていた。


「付き合う…ねぇ…」

昇太はポツリと呟いた。

『あれ?もしかして案外イケるのか!?』

俺はちょっとワクワクしてきて

「一回真剣に考えてみ」

と俺は昇太に真剣に提案してみた。


実際俺にとったら奥野さんは高嶺の花。
小学生の頃から可愛いと評判の彼女だったが、そこは小学生。
好きだとか付き合いたいとか思う歳でもなかった。
ただ中学生になって周りが色恋沙汰に騒ぐようになってからは俺もそういう感情が芽生え始めていた。
しかし俺は昇太みたいに特別話をしたりする女の子はいなかった。

昇太もこれまでそういった話は特になく俺と過ごしてきたが、正直俺にとっちゃ昇太レベルならそろそろ彼女がいてもおかしくないと思っていた。
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