幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
夏休みが終わり、新学期へ突入

受験モードが本格的になってきた冬の始まる頃

とうとう昇太と奥野さんは別れた。


別れを告げたのは昇太からだった。


奥野さんは別れたくないと何度も昇太に言ってきたみたいだったが、昇太は応じなかった。

昇太の性格上、一度決めたらもう後戻りはしないとわかっていた俺は再び2人の仲を戻そうなんてこれっぽっちも思わなかった。

昇太は優しい性格で自分のせいで別れることになったことを悔やんでいて、奥野さんが納得しないまま何度か話し合う為に会いに行ったりとなかなか関係を断ち切ることができないでいた。

言葉にすることはなかったが、俺には昇太の気持ちがわかっていた。

しかし時は自然に流れていくように昇太と奥野さんの関係も徐々に薄れてきて、年の瀬も押し迫ってきた頃には奥野さんからの連絡も自然になくなっていったようだった。


俺はというと昇太と奥野さんが別れたキッカケが俺の存在であったということが気になり、話しづらくなり、俺たちの中で奥野さんの話題は出なくなった。


そうして俺の中学時代は昇太のほろ苦い恋物語で幕を閉じた。
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