幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
俺はいつものように遅れて教室に入る。

ーーーガラガラ〜

『!?』

一瞬戸惑って、その場が凍りついたような感覚に陥った。


前日と同じように一番前の席にいたあの[奥野さん]と目があってしまった。


しかしすぐに俺は所定の位置に着席し、普段と変わらない様に過ごした。

ただあの一瞬目が合った時のなんともいえないモヤモヤした感情を抱きながら…

俺の心中でボヤけて映っていた人物が次第に露わになってゆく…

そしてもう一度じっくり一番前に座っている奥野さんの後ろ姿を確認する。

俺は確信した。


『いやいやいや!あの人は間違いなく奥野奈緒だ!!やっぱりそうだったのか!ていうかこんな再会あるのか!?それとも俺の見間違い!?』

驚きと緊張でその日受けた英語も現代文も授業の内容は全然頭に入ってこなかった。
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