幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
高校1年の冬
俺はいつも通り部活が終わってから塾に向かった。
多少マトモな大学に通いたいという思いもあった為、塾には高校進学と同時に通っている。
ーーーガラガラ〜
「こんばんわ〜遅れてすみません。」
「…とこうなります。あっ佐藤くん、こんばんわ。もう少し早く来てくれたらいいんだけどなー。んじゃ授業を続けまーす。」
「すみませーん。次回から頑張って間に合わせまーす!」
とまぁこんな具合に俺はいつも部活に行ってから塾には行くので既に授業が始まっていることが多い。
生徒の数は10人にも満たない数で少人数制だ。
教室は20人は入るくらいの大きさで、だいたいみんないつも決まった席に座る。
俺は後ろの方の席につく事が多い。
なぜなら教室のドアは黒板の横にある為、入るとみんなからの視線が毎度毎度恥ずかしく、ついつい後ろの方の席へ避難するように行ってしまうからだ。
今日もみんなが一斉にこっちを見ているのがなんとなくわかってしまい、すぐ下を向き、そのまま後ろの方の席につく。
ただ今日は普段いなかったと思うところに人がいた。
席について教室内を見渡すとたしかに一番前に座ってる一人の女の子だけ、誰なのかわからなかった。