幸せのカタチ〜Fleeting memories〜

俺と昇太は高校2年生になっても相変わらずの関係で、いつものようにくだらない話をしては笑い合い、暇な時は頻繁に会っていた。


ある日、昇太がいきなり話題をふってきた。

「そーいや、あの人とはどうよ？なんか進展あったか？」

なぜか嬉しそうに切り出す昇太。
昇太はたまーにこうして奥野さんの話題を振ってくるようになった。

俺は突然の昇太からの問いかけに最初は少々戸惑ったが、今では自然と返す言葉が出る。

「別に進展って…あの話以降、残念ながら昇太が期待してるようなことは特になんにもねぇわ！まぁ奥野さんはだいぶ周りに馴染んできてるみたいだけど」

「ふーん」

昇太は内心少しつまらなさそうな感じに見えたが、毎度同じようなな回答を聞いて、俺の反応を見ては特にそれ以上詮索することはなかった。

こんなやり取りが2、3回はあった。