幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
高校2年の夏。
夏休みも間近に迫り、塾では夏期講習の話が出ていた。
夏期講習は高校の夏休みに一週間ぶっ続けで勉強する事が前期、後期と2回に分けて行われるものだった。
塾の休み時間に夏期講習の案内を俺はダルそうに眺めていると突然高校も同じクラスの女の子が話しかけてきた。
「佐藤くん!奥野さんと小学校一緒だったんだって!?」
高校では1年の時も同じクラスだった渡辺さんが突然爆弾発言をしてきた。
俺は一瞬『えっ!?』と言葉を詰まらせたが、平然を装って返した。
「あーそうそう。実はね。まぁ小学校が一緒だったってだけで別にクラスが一緒とかじゃなかったし、そんなに話してたって訳でもなかったから」
渡辺さんの席の前には奥野さんも座っていた。
俺は奥野さんの背中をチラッと見た。
『聞こえたかな?』
心の中でドキドキしながら俺は思った。
聞こえるか聞こえないか微妙な声のトーンで俺は返したが、その直後渡辺さんが切り出した。
「ほらー奥野さん!やっぱり佐藤くんも知ってたんだって!」
前の席の奥野さんの背中をポンポンっと叩いて渡辺さんは言った。
奥野さんは振り返り、笑顔で俺の方を見て明るく話しかけてれた。
「そうなんだ!中学の時に一回会ったっきりだったし、覚えてないのかと思っちゃった。まぁ特にここで話すようなこともなかったしね」
『特に話すようなこともなかっただぁ!?コイツ俺がどこまで昇太とのこと知ってんのかわかってんのか!?』
心の中で俺は叫んだ。
だが笑顔で話す奥野さんを見て、なんだか力が抜けてきてしまった。
『俺のモヤモヤはなんだったんだ。昇太も今となってはけっこうあっさりしてるし、俺だけが気にしてたってことか!?』
そう心で呟きながら俺も奥野さんに返した。
「公園で会ったことだろ?覚えてるよー!何話したかまでは覚えてないけどね」
たしかに公園での話の内容は覚えていなかった。
あの時、俺は場の空気を保つのに必死だったからだ。
お喋りキャラってのも時に考えようだ。
夏休みも間近に迫り、塾では夏期講習の話が出ていた。
夏期講習は高校の夏休みに一週間ぶっ続けで勉強する事が前期、後期と2回に分けて行われるものだった。
塾の休み時間に夏期講習の案内を俺はダルそうに眺めていると突然高校も同じクラスの女の子が話しかけてきた。
「佐藤くん!奥野さんと小学校一緒だったんだって!?」
高校では1年の時も同じクラスだった渡辺さんが突然爆弾発言をしてきた。
俺は一瞬『えっ!?』と言葉を詰まらせたが、平然を装って返した。
「あーそうそう。実はね。まぁ小学校が一緒だったってだけで別にクラスが一緒とかじゃなかったし、そんなに話してたって訳でもなかったから」
渡辺さんの席の前には奥野さんも座っていた。
俺は奥野さんの背中をチラッと見た。
『聞こえたかな?』
心の中でドキドキしながら俺は思った。
聞こえるか聞こえないか微妙な声のトーンで俺は返したが、その直後渡辺さんが切り出した。
「ほらー奥野さん!やっぱり佐藤くんも知ってたんだって!」
前の席の奥野さんの背中をポンポンっと叩いて渡辺さんは言った。
奥野さんは振り返り、笑顔で俺の方を見て明るく話しかけてれた。
「そうなんだ!中学の時に一回会ったっきりだったし、覚えてないのかと思っちゃった。まぁ特にここで話すようなこともなかったしね」
『特に話すようなこともなかっただぁ!?コイツ俺がどこまで昇太とのこと知ってんのかわかってんのか!?』
心の中で俺は叫んだ。
だが笑顔で話す奥野さんを見て、なんだか力が抜けてきてしまった。
『俺のモヤモヤはなんだったんだ。昇太も今となってはけっこうあっさりしてるし、俺だけが気にしてたってことか!?』
そう心で呟きながら俺も奥野さんに返した。
「公園で会ったことだろ?覚えてるよー!何話したかまでは覚えてないけどね」
たしかに公園での話の内容は覚えていなかった。
あの時、俺は場の空気を保つのに必死だったからだ。
お喋りキャラってのも時に考えようだ。