幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
「2人とも知り合いだったんならもっと早く打ち解けたらよかったのにー」

渡辺さんが俺たち2人を見て不服そうに言った。

「なんか話しかけるタイミングがなかなかなくてさー。まぁ特に話すこともなかったし!な!」

俺は奥野さんが言った事に被せて皮肉そうに言ってやった。

「そうそう!まぁーいいじゃないの」

奥野さんも俺に合わせて同調してくれた。

あの屈託のない笑顔で言われたら誰でも「まぁいいか!」となってしまう。


『てゆうかどういう流れで渡辺さんは俺と奥野さんのことを知ったんだ!?塾で俺と奥野さんの関係に特に違和感なかったよな?奥野さんが言わない限りわからないハズだけど…』

俺は心の中で自問自答を繰り返し、これまでの行動を思い返していたが、バレる素振りなど思い当たる節は全くなかった。


そんなことで塾でも俺たちの過去の繋がりを知る人がチラホラ出てきた。
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