幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
奥野さんとメールでやり取りした次の日
まだ夏休み真っ最中で俺は朝から昼まで部活に行き、昼からは部活仲間たちと遊びに行って、家に帰ってきたのは夕方だった。
家で晩御飯を食べ、テレビを見ながらくつろいでいると携帯が鳴った。
『この時間のメールは昇太かぁー?』
高校に入ってからは昇太以外にも連絡先は増え、部活仲間やクラスメイトとたまにメールをすることはあったが、頻繁にメールのやり取りをするのは相変わらず昇太だけだった。
しかしこの日は違った。
俺はメールを見てびっくりした。
『ごめーん!昨日寝ちゃってたぁー!…』
奥野さんからだった。
内容は昨日の続きで塾の話題だった。
たしかにやり取りは途中ではあったが、別に返してこなくても普通なら気にしない程度で、俺もまさか返ってくるなんて思いもしてなかった。
『普通に返すべきかな?』
時計を見るとまだ夜の7時過ぎ。
健全な高校生なら普通は起きている時間で、家にいても別に普通の時間だ。
俺はちょっと迷ったが、普通に話題を繋げてメールを送った。
そうして2日続けてメールのやり取りをした。
内容的には昨日とあんまり変わらなかったが、2日続けてのやり取りなので、塾の話題もなくなってくる。
『さすがに明日はもうないだろ。』
返信はだいたい30分に一回のペースだったのだが、気付けば時間は12時を回ろうとしていた。
最後に送ったのはまたしても俺の方。
送ってから1時間は経過していた。
寝たのか、さすがに返すことがなくなったのかわからないが、俺も部活疲れもあってかそのまま寝てしまった。